RYUJI NAGATA
日本人の運動習慣が持続しない理由
更新日:1月24日
トップスイマーとして学生時代6年半をアメリカで過ごし、半世紀に渡り日本のフィットネス産業と共に歩んできた筆者が、2022年10月に公開した運動のマッチングサービス、スポカツ.netは、フィットネス産業の構造的な課題を地域のみなさまとの共創により解決します。
この記事では、筆者の 体験やスポカツ.netサービス着想の経緯を紹介しながら、日本人の運動習慣がより一層長続きするための、フィットネス、スポーツ、運動環境のあるべき姿について、みなさまと考察していきたいと思います。
この記事の目次

日本人の運動習慣が続かない理由
みなさんは、欧米人がよくランニングするイメージを持たれてはいませんか?
筆者は競泳選手だったため、小学6年生から、平日はほぼ毎日登校前の朝練。大学はアメリカに留学しましたが、そこでも同じように朝練の日々が続いた訳ですが、アメリカでは、社会人、大学生、リタイヤした人、性別問わず、スポーツ選手でもない普通の人々が、歩道に、公園に、ジムに、プールに、大学キャンパスに、まだ暗い早朝から、ほんとに多くの方々が運動していることに驚いた記憶があります。
日本人よりも体格がはるかに勝るアメリカ人の体力はやっぱり凄いのか!?(アメリカ人と競争する俺はバカなの!?)
と、青ざめた記憶があります。(笑)
そこで、筆者はチームメイトに質問しました。
なぜアメリカ人はスポーツ選手でもないのに早朝から運動している人が多いの?
そのアメリカ人の答えが目からウロコでした。
はっ・・?? ? あなたのようなアジア人と違って、白人や黒人は運動しないとたちまちデブるからよ。身体を引き締めるには運動するしか他に方法は無いでしょう。
早朝に運動するのは、早朝なら日差しが弱い、涼しい、他に予定もない、汗かいた後にシャワー浴びる(そもそも入浴は朝 / 夜入浴しない習慣。)、朝食もダラダラと食べ無くなる、翌朝のワークアウトに備え前日は早めに就寝、・・・。
彼女の親切な回答に解説を付け加えます。
当時、筆者が過ごしたカルフォルニアでは、肥大予防に運動するのは、引き締まった身体を手に入れるためで、引き締まった肉体であることが、美徳?自己アピール?あるいは、他者差異化?となる社会だったのです。いずれにしろ、スポーツ選手でもないのに運動習慣化がある人には、運動を続ける動機や目標があることを筆者は理解しました。
そして、引き締まった身体を手に入れるには、継続が重要。運動を継続するには、起き抜けである早朝が1日の中で一番利に適った時間帯だったいうことなのです。
では、ここまで読んでいただいたみなさんにお聞きします。
あなたは何かしらの運動を継続的に行っていますか? 運動をする習慣はありますか?
アメリカ人がいうように日本人は肥大化しにくいとか、引き締まった身体に美徳を感じるかはさて置き、確かに肥大化する度合いは、日本人の方がマイルドかも知れません。なので、アメリカ人のように運動を続けなければならない、といった切迫感のない人が多いことは容易に想像します。ただ、継続的な運動は、引き締まった肉体を手に入れる目的だけではなく、他にも様々な効果があることは周知の事実です。そうなると、日本人の運動が継続しない理由は、動機や目標の希薄さにあるように思えてきます。
運動施設の営業時間が合わない根本原因
私がアメリカで過ごした1980年代後半から90年代初頭のカルフォルニアやユタ州では、公共の運動施設も、民間のスポーツジムやフィットネスクラブも、早いところでは、朝の4時から、遅いところでも6時には営業を開始していました。
理由は前述の通り、多くのアメリカ人にとって、早朝が一番運動に適した時間だったからです。わざわざ需要の低い時間帯に営業する商売はありえません。単純に顧客のニーズに合わせて営業した結果なのだと推測します。
それでは、ここで少し話しが飛びますがフィットネスに関する統計を紹介します。
2016年 | 日本 | アメリカ |
総人口 | 1. 27億人 | 3. 23億人 |
会員制フィットネスクラブを利用している人数 | 424万人 | 5720万人 |
会員制フィットネスクラブを利用している人の割合 | 約30人に一人 | 約5. 6人に一人 |
全国施設数 | 約5000軒 | 約36000軒 |
まずはじめに、「会員制フィットネスクラブを利用している人の割合」について、日本が30人に一人に対して、アメリカは5.6人に一人と、その普及率?、フィットネス意識?の差に驚きます。このように改めて外国と比較して見ると、確かに日本人の運動に対する意識は低くそうです。
筆者が次に着目したのは「全国施設数」です。
日本には会員制フィットネスクラブが5000軒もあるのに、なぜアメリカのように顧客のニーズが一番高い早朝時間帯から営業しないのでしょうか? 筆者が所属している神奈川県水泳連盟登録のスイミングスクールだけでも200軒以上はありますが、早朝から一般会員向けに営業しているクラブはありません。
日中には仕事や学校などがあるのは日本もアメリカも同じです。アメリカ流のビジネスモデルをそのまま日本でやれば良いだけのことです。(この統計は2016年の数値で最近急増している24時間営業のフィットネスクラブはまだほとんど含まれてない時代です。)
そこで、早朝営業しない日本のフィットネスクラブに疑問を感じていた筆者は、ある24時間営業フィットネスのフランチャイズ説明会を聞きに行きました。
説明を聞き終えた後、アメリカからきたビジネスモデルであることを知った筆者は、これは当たると確信しました。
しかし、筆者にとっては、総合フィットネスクラブ出店の1/4の初期投資との触れ込みも、美容室出店の4倍の初期投資が必要な事業であり、ホイソレとは、はじめられません。
先ずは色々と検証を進めることにしました。すると、致命的な欠陥が見えて来たのです。
フィットネスクラブに入会した人の7割が半年で退会し、9割が1年後に退会する。
水泳連盟で繋がっている、昔ながらの総合フィットネスクラブの経営者や支配人から聞いている数値とは大きく異なりましたが、多大な宣伝費を投下して獲得した会員のほぼ全員が1年で辞めてしまうようなサブスク事業は全くのナンセンスです。
筆者は24時間営業フィットネス事業参入を諦めると同時に、スポーツ施設の営業時間がクリティカルな問題ではなさそうだと思いました。
では、なぜ日本人の運動習慣は続かないのか? やはり、日本人の運動意識の問題なのか?
前述の通り、アメリカ人は、日本人と比較してフィットネスクラブに通う人数が5倍ですが、早朝から公園や歩道などで、ランニングやウォーキングをしている人も大勢います。
その気になりさえすれば、運動はどこででもできる訳です。
一方、フィットネスクラブに入会する目的は、運動器具や設備の利用、あるいはインストラクターなどの有人レッスンが目的でないでしょうか。
フィットネスクラブに入会する前には必ず利用体験があるので、ここなら通えると決めた上での入会のはずですが、結果は入会から1年と続かないのです・・・。
確かに、24時間営業のフィットネスクラブの早朝時間帯は無人営業です。
なるほど、24時間営業のフィットネスクラブが増加した現在でも会員は1年と継続しない。つまり、日本人の運動習慣が続かない理由は、早朝から施設が使える、使えないの問題ではなく、早朝からレッスンを受けられないことに、どうやら根本原因がありそうだ。
との、論点に帰着しました。

スポカツ.net開発の背景
近年急増している24時間営業のフィットネスクラブにしろ、全国で展開している大手のコ◯ミ、セ◯ト◯ル、ル◯ネ◯ン◯にしろ、公共のスポーツ施設にしろ、インストラクターやスタッフが対応している時間帯に大差はありません。有人営業開始時間は9時や10時が一般的です。
実は、筆者が競泳選手として朝練を始めた1980年代初頭の日本では、多くの民間のスイミングスクールで選手限定の朝練が行われていました。今、改めて振り返ってると、朝練担当コーチの勤務体系は悲惨なものでした。
早朝6時前には出勤して、6時から選手の指導。終わると日中は通常業務。18時頃から再び選手を指導して、おそらく退社できるのは21時でしょうか!?
これは実に1日16時間労働です!!
参考までに、筆者を指導してくれた恩師は、ずーとプールに住み込み状態でした。本当に頭が下がる思いです。(涙)
労働基準法で定める労働時間は、1日8時間、週40時間です。
労働基準法遵守の流れが、フィットネス業界にも波及した結果、以前選手の朝練をしていた一般の民間クラブはほぼ消滅しました。
つまり、現代の24時間営業のフィットネスクラブや総合フィットネスクラブの経営者、公共施設の指定管理者など、インストラクターを雇用する立場として、早朝からインストラクターを勤務させることが法令的にも物理的にも極めて困難な時代となったのです。
では、なぜアメリカのフィットネスクラブは早朝から有人営業できるのでしょうか? アメリカには労働基準法がないのでしょうか!?
無論、アメリカにも労働時間は週40時間までという日本とほぼ同等の基準があります。
ただし、一般的なアメリカのフィットネスクラブのインストラクターは、アルバイト学生やWワーク、トリプルワーク、フリーのインストラクターの方々が多い印象です。
アメリカのフィットネスクラブのインストラクーは、早朝はフィットネスクラブで会員を指導しながら、自分も一緒にワークアウトで汗を流す。9時以降は、学校へ、本業へ(体育教師、消防士、スポーツショップ店員、理学療法士、スポーツトレーナー、コンピュータープログラマー・・・など)といった感じで、フィトネスインストラクターやスポーツコーチは、趣味と実益を兼ねた副業として非常に人気が高い職業なのです。
実は、日本でも、このアメリカンスタイルの副業コーチを活用して、早朝フィットネス、朝活を主催している団体があります。そう、筆者もこの団体の所属コーチとして、早朝から水泳指導をしています。 以下、スポカツ.netの原点となった「オーシャンナビ」を紹介します。
名称 | オーシャンナビ |
HP - URL | |
主催 | 株式会社オーシャンナビ 代表取締役 守谷雅之 |
サービス内容 | オーシャンスイム、マスターズスイミング、トライアスロンなど泳ぐことに特化した練習会を、東京、神奈川、千葉県内のフィットネスクラブや海などで開催している。過去10年間で累計会員数は4000人以上。会員の最高齢は87歳。 |
オーシャンナビのビジネスモデルは、プール施設と従業員コーチを持たないジプシースタイルのスイミングスクールです。
フィットネスクラブの早朝のプールを借上、オーシャンナビの会員向けに水泳練習会を運営。指導するコーチは筆者を含め20人以上の登録がありますが、みなさん日中は全く別の仕事をしている副業コーチです。
筆者が主に担当する東京都町田会場は、月、木、土、日曜日の早朝に練習会スタイルの朝活を実施しており、1回20人程度の参加者がいらしてます。

現状売上ゼロの空間を借上るオーシャンナビには、様々なフィットネスクラブから引き合いがあります。しかし各種の条件が折り合わなかったり、そもそも、水泳以外の運動種目や、東京、神奈川、千葉以外のエリアでの開催は物理的に対応できません。
そこで、筆者は、このオーシャンナビの朝活開催までのビジネスプロセス自体を、そのままDX化する(インターネットに置き換える)ことに着想したという訳です。
スポカツ.netは、主催者(会場を提供する人)✖️ コーチ(指導者)✖️ 参加者をマッチングするサービスです。
みなさまと共創したい地域社会
それは、誰もが無理なく運動習慣が続く地域社会の実現です。
■日本全国に約5000軒ある会員制フィットネスクラブは、約424万人の様々な運動ニーズを支えてきました。
しかし、アメリカの5.6人に一人に対して日本は30人に一人。1年で9割が退会 。
■オーシャンナビは、これまでに、東京・神奈川・千葉の約4000人の運動習慣を水泳朝活を主催し、副業コーチが指導してきました。
しかし、他の地域、水泳以外の運動種目の展開は困難。
上記、二つの課題を解決する目的で誕生したのが スポカツ.netです。
総合フィットネスクラブ、24時間営業のフィットネスクラブ、ヨガスタジオ、ダンススタジオ、レンタルスペース、会議室、集会場、公共施設、公園、学校、早朝から運動エクセサイズに利用できるスペースは無限大です。
是非、スポカツ.netでスポーツ朝活を実施してください。現状収益ゼロの空間や時間に運動レッスを開催して収益化が可能。ほぼノーリスクです。
日本人が運動習慣を持続するモチベーションは施設にはありません。参加者の動機や目標に導くのは、みなさまのような、ヨガインストラクター、ピラティスインストラクター、フィットネスインストラクター、ランニングコーチ、スイミングコーチ、・・・などなど、その道の指導者の方々に他なりません。
現在の本業は一切関係ありません、スポカツ.netでスポーツ朝活を指導することで趣味と実益を兼ねた最高の副業・アルバイトが手に入ります。
スポカツ.netに月額会員という料金設定や無料体験はありません。ネットサイトなので内容はガラス張りです。納得がいくまで、お気にりが見つかるまで色々比較してください。参加1回毎デジタルチケットを購入します。(金額は主催者が決定:無料、もしくは330〜33,000円。)もし、推しのコーチが見つかったら、ぜひ足繁く通うよにしましょう。通う励みが、あなたの運動習慣を定直させます。
誰もが気軽に参加できるスポーツ朝活があるまちづくりは
みさまとの共創の結果実現するものです。
ぜひご一緒に盛り上げて参りましょう。
ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございました。
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